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2005/11/28

構造強度偽造 2

kankeizu 構造強度偽造事件が毎日TVなどのメディアで取り上げられる中、番組コメンテイターの方々の建築(確認申請含む)の関係図というものが、間違ってとらえられている場合が有り、どうにも気になってしかたがないので、通常(僕が正常と思う)の関係について描いてみました。この関係性を知らないとどこに問題が有ったのかわかり難くなってしまう。

矢印は各々の関連を示し、まず建築主・設計者・施工者という三角形(バランス)があり、相互の信頼・誠意に基づいて建築がなされなければなりません。確認受託機関とあるのは行政機関(役所など)である場合と民間機関である場合があり、どちらに建築確認申請・完了等検査申請を提出しても問題ありません。赤破線には金銭の授受がありますが確認受託機関へは申請物件の面積により各々金額が定められていて、工事代金や設計料から比べればわずかな金額です。ただし仮に確認を”通す”という名目で賄賂・圧力等があった場合には、この図以外の関係になります。もちろん行政であれ民間であれ審査に間違いが有ってはいけません。

施工者と協力施工者との関係は平たく言えば「下請」(あまり気持ちの良い言葉ではないですが)という事です。通常それがどうなっているかはあまり問題ではありません。もちろん問題の有る下請業者は使わないで欲しいという要望は出来ます。発注者は施工者(元請)に依頼しているのですから、下請の不備は元請が管理する問題です。設計者に対する協力設計者もこれと基本的に同様の関係になります。設計者として確認申請の書類の上で記名捺印するのは設計者個人只一人で、協力設計者の名前は通常ありません。

最初の三角形のどこか二つが一緒(同じ者)の場合はバランスが崩れます。例えば「設計者と施工者が同じ」場合は、機能を無視して造りやすいようにや、利益の上がりやすいように造るなど、建築に本来必要な部分や建築主に必要な部分を犯してしまう危険性があります。同様に「建築主=設計者」「建築主=施工者」という場合も、本来あるべき義務と権利がなされない場合が考えられます。同一でなくても利害関係に癒着があればこれも同じです。またお金や依頼の流れが違う場合、例えば建築主が直接に下請に金銭の授受をする、またこれ(下請)を指示し採用する(させる)場合もバランスが崩れ、正しい建築への判断がなされない可能性が出てきます。

もうひとつ問題になりうる点、建築主が建物の使用者・所有者でない場合。個人住宅であれば建築主=使用者・所有者になるのが一般的ですが、マンションのように建物を販売目的で建築する場合は建築主は使用者・所有者ではありません。このことはとても重要な事です。使用者・所有者であれば前記のような内容で建築(設計と施工)することは確固たる理由がない限り、自分の不利益になることは簡単にわかると思います。建築に対する意識・方向性がだいぶ違うのです。建築のすべてのお金の出所が建築主であることからもその性格はおわかりいただけると思います。そうした上で今回の物件を見てみると何か見えてくるのではないでしょうか。

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